レーザー光による目の障害
~レーザーの危険性~
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2009-11-10 2018-06-07
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レーザー光により、目に対して重大な障害を起こす可能性が有ります。正しい知識を身につけレーザー機器を取り扱う必要があります。
1.コヒーレント(コヒーレンス性)
太陽光は指向性(方向)が悪く、波長もばらばら(波の形が不定)で、位相もくるってる(タイミング悪い)のでレンズ等で一か所に集めても(集光しても)、金属板を切断する程集めることは困難です。 しかし、レーザー光は、指向性が良く、波長も揃い、位相も合っていて、これがレーザー光の特徴「コヒーレント」や「コヒーレンス性」と言いこの性質を利用して、レンズで非常に強力なエネルギーを一か所に集めることが出来ます。
出力の高いレーザーであれば固い鉄板を簡単に切断でき、もしこんなレーザー光が人に当たってしまったら大けがをします。また、出力の低いレーザーであれば、人体に対する透過性は低く、影響は「目」または「上皮組織」に限定される場合もあります。
2.レーザー光による眼への障害の可能性
下の表は、過度のレーザー光による、眼障害をまとめたものです。
分類 | 波長 | 引き起こされる障害 | 代表的なレーザー |
紫外光 UV-A | 180nm~300nm | 角膜損傷を引き起こします。 |
・エキシマ ArF 193nm ・エキシマ KrF 248nm ・YAG-FHG 266nm |
紫外光 UV-B | 300nm~400nm | 白内障(水晶体損傷)を引き起こす可能性がある。 | ・YAG-THG 355nm |
可視光 | 400nm~700nm | 網膜損傷や視神経損傷と目の中心部損傷を引き起こし回復不能な大ダメージを引き起こす。 |
・YAG-SHG 532nm ・半導体レーザー (レーザーポインタ等) |
近赤外光 IR-A | 700nm~1400nm | 網膜損傷や視神経損傷と目の中心部に 損傷を引き起こし回復不能なダメージを引き起こす。 さらに白内障を引き起こす可能性がある。 |
・YAG-基本波 1064nm ・半導体レーザー |
中赤外光 IR-B | 1400nm~3000nm | 白内障(水晶体損傷)を引き起こす可能性がある。 | |
遠赤外光 IR-C | 3000nm~1mm | 目の外面損傷や角膜損傷を起こすことがある。 | ・CO2レーザー 10.6μm |
3.深刻な障害を生む光
眼障害のうち最も深刻なものは「網膜損傷」など「眼底に及ぶもの」です。 波長としては可視光(400nm~700nm)~近赤外光(IR-A:700nm~1400nm)がこれにあたり、この波長のレーザー光は眼球を透過し水晶体のレンズ作用で集光され、眼底に大ダメージを与えてしまいます。 400nmより短波長の紫外光や、1400nmより長波長の赤外光は、殆どのエネルギーが角膜表層に吸収され角膜障害を引き起こします。